家族信託を使った実家の管理方法【2021-03-06更新】 | LIXIL不動産ショップ多摩センター店 中央企画

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2021-03-06

家族信託を使った実家の管理方法

こんにちは!LIXIL不動産ショップ相続サロン
中央企画代表の田岡です。

いきなりですが、、
「家族信託について気になるけど、実際どういったケースで活用されているの??」このように思ったことはありませんか?今回から数回にわたり、家族信託の活用事例シリーズとして、「どのような場面で家族信託が有効にご活用いただけるのか、そしてどのようなメリットを得ることができるのか」ということをお伝えしてゆきたいと思います。
家族信託にご興味をお持ちの方やご利用をご検討中の方は是非最後までお付き合いくださいませ!!

初回となる今回は、実家の管理(高齢の親が一人暮らしの場合において)です。
このケースが最もスタンダードな家族信託の活用事例となるかと思われます。

一人暮らしの高齢の母、最近物忘れも増えてきたし心配です・・・最近このような声が多く聞こえてくるようになりました。そこで、今回の登場人物としては以下の3名です。



◆母 84歳
◆長女(相談者) 55歳
◆次女 53歳

※高齢になるお母様の一人暮らしを心配した長女の方からのご相談事例です。

 数年前にお父様が他界し、現在84歳となるお母様が古い一軒家に一人暮らしをしています。お母様は足腰を悪くしており、将来的には高齢者施設への入居を考えている状況です。しかし同時に最近では、財布や預金通帳がどこにあるか分からなくなる等の物忘れが増え、認知症の程度が進行していることで、ご相談者様はお母様の不安に思っているところでした。
そこで、認知症とその対策について調べていたところ辿り着いたのが「家族信託」です。

もしこのまま何も対策をしなかった場合はどうなるの?
それでは、まずはこのまま何も対策をしなかった場合を考えてみましょう。お母様のご年齢と現在の状況を鑑みると、数年後あるいはもっと近い将来に、お母様の判断能力が喪失してしまう可能性があります。
その場合お母様本人の意思確認ができなくなることから、定期預金の解約や銀行口座からのお引き落とし、ご実家の売却処分や賃貸が不可能となってしまいます。

親名義の定期預金や自宅の売却資金でお母様の高齢者施設への入居費用をご用意しようと考えていた場合、まさに八方塞がりの状況になってしまうことが考えられます。
一度こういった状況になってしまったら、売却等をするためには成年後見制度の利用をする他ありません。

◆成年後見制度とは・・・
認知症となってしまった場合、裁家庭判所に申し立てをすることでご本人に代わって契約行為をおこなう人(成年後見人)をつけることができます。これが成年後見制度です。
「成年後見制度が使えるなら、認知症になっても何も問題ないから安心した。」と思われるかもしれませんが、今回の事例の場合、成年後見制度の利用には以下のようなデメリットがあります。

◆親族が成年後見人となれる可能性は低い
ご本人様(今回の事例ではお母様)にある程度の金融資産がある場合、親族が成年後見人になることはできず、家庭裁判所によって司法書士や弁護士等の専門家、いわゆる職業後見人が選任される可能性が高いです。
そして職業後見人に対しては当然報酬を支払わなければならず、その相場は基本報酬として2〜6万/月ほど(財産額や後見内容によって変動)。
一度後見人をつけると、ご実家の売却等の目的を達成した後でもご本人様が亡くなるまで継続されます。(途中でやめることは出来ません)したがって、結果的に高額な出費となってしまうのです。

◆ご本人様にとって直接メリットのある支出しか認められない
後見人がついた場合、不動産などの売却や銀行口座からの引き落としなどが自由にできるようになるのかと言われると、実はそうではありません。成年後見制度では​ご本人様の財産は全て家庭裁判所の指導・監督下に置かれる事になり、そこからの支出についてはご本人様にとって直接的にメリットがあるかどうかが重要視されます。

つまり今回の事例で言うと、お母様の施設利用料や生活費の不足分の補填といった「お母様にとってメリットがある合理的な理由」があればご実家の売却やお金の引き落としは可能です。
しかし一方で、お母様のお金を使ったご実家のリフォームや、お孫さんへの贈与(お小遣い)等の使い途ですと、許可が下りない可能性があります。

◆「家族信託」のご活用でこうならないための対策ができます
万が一の認知症によるこのようなリスクに対して事前に備えることができる手段、それが「家族信託」を活用した生前対策です。今回の事例では、ご相談者様を受託者(信託を受ける人)、お母様を委託者(信託を頼む人)として、お二人の間で信託契約を結びました。
それではこのような家族信託契約を結ぶことで、今回の事例では具体的にどういったメリットが得られるのでしょうか。

◆受託者の判断で柔軟な財産の管理・処分ができるようになる
家族信託契約を結ぶ際には、【どの財産を・どういった目的の範囲内で】管理・処分を委託するかを決定します。この際信託内容は成年後見制度に比べても自由に設定することができますので、柔軟な財産管理が可能になるのです。
*ただし柔軟であるが故に利害関係を巡っての争いに発展してしまう可能性もありますので、家族全員での話し合いの上で決定することが重要です。

今回の事例では、お母様がお元気なうちから数年にわたっての日常生活費の準備や自宅の管理・修繕、高齢者施設入所後のご実家の処分といった事柄を信託契約の内に織り込み、受託者であるご相談者様の判断で財産を自由にご活用していただける内容といたしました。

受託者であるご相談者様の行為によって発生した利益(不動産の売却益など)は、委託者であり受益者でもあるお母様のものとなります。そのため、お母様の財産の管理を委託されている立場の相談者様が、利益を引き続き管理・運用することができる仕組みです。
また、家族信託では、該当する財産(特に不動産の場合)の形式的に【名義のみ】を移動させますので、不動産取得税や贈与税、譲渡所得税などは発生しません。

◆遺言と同様の機能も備えている
家族信託では信託契約書の中で、将来相続が発生した場合に【誰に・何を・どのくらい】相続させるかを定めておくことができます。このように定めておくことで、別途遺言を作成したり相続発生後に相続人間で遺産分割協議をしなくても、信託契約書で決定した通りに財産を相続させることが可能なのです。


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いかがでしたでしょうか。
今回の記事を通じて、一人でも多くの方にとって「家族信託」が馴染みのある制度になること、そして現在「家族信託」のご利用を検討している方の背中を押すきっかけになれば大変嬉しく思います。
当相続サロンでは全国に多くの拠点を持つ「不動産相続の相談窓口」の一員として、ご実家を中心とした大切な財産を守るための独自の家族信託サービス「安心空き家信託サービス」をご提供いたしております。
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ページ作成日 2021-03-06