スマホで見る

インスペクションに関するボタンの掛け違い その5インスペクションに関するボタンの掛け違い その5【2020-11-22更新】|LIXIL不動産ショップ中央企画

賃貸・売買・賃貸経営管理のことなら
リクシル不動産ショップ中央企画へ

電話番号はこちら:042-371-0303
<< ブログの一覧へ戻る
  • インスペクションに関するボタンの掛け違い その52020-11-22


    多摩センターを中心に40年以上地域密着で営業を続けるLIXIL不動産ショップ 中央企画株式会社です。
    今回で5回目となるインスペクションに関する勘違いシリーズです。
    既存住宅売買瑕疵保険の検査基準に合格し保険に加入した場合、一定の品質を担保出来た気になって安心しそうではないですか?
    しかし「加入出来た=安心な家」というわけではなく、実際に修繕が発生する可能性はあります。
    そして修繕箇所や原因が「既存住宅売買瑕疵保険のための検査」以外の部分の場合、保険の対象外となってしまう危険性があるのです。
    今回は「瑕疵保険の免責事項」という点についてご説明いたします。


     

    「既存住宅売買瑕疵保険に入れた=安心な家」ではない


    既存住宅売買瑕疵保険は、構造躯体と雨水の浸入に対する保険制度です。
    検査会社が調査を行って、瑕疵保険の検査基準に合格しないと、保険に加入することはできません。
    多くの仲介会社が勘違いしているのが、「検査に合格した住宅はお得だ」という認識です。これは大きな間違いです。
    その4で記載しましたが、現時点で劣化の指摘がないことは、これから家を買う人にとってはあまり重要ではありません。
    大切なのは「あと何年くらい使えそうか」の想定と、今後家のメンテナンスにどれくらいお金が必要かということです。

    築15年の住宅(個人間売買)を購入したとします。
    引渡し前のインスペクションで指摘がなかったので、既存住宅売買瑕疵保険に加入することができました。
    この住宅は「安心」なのでしょうか。
    答えはNoです。


     

    瑕疵保険は意外と免責事項が多い


    以下は保険会社によって判断がかなり異なるので、最悪の場合、免責となり保険金がおりない可能性のある事項です。

    〇洪水、台風、暴風、暴風雨、せん風、たつ巻、豪雨もしくはこれらに類似の自然変象、または火災、落雷、爆発、航空機の落下、変乱、暴動、騒じょう、労働争議等の偶然もしくは外来の事由
    〇地震もしくは噴火またはこれらによる津波

    →つまり、災害は免責となります。最近目にする「ゲリラ豪雨」もこれに該当すると判断される恐れがありますね。

    〇土地の沈下、隆起、移動、振動、軟弱化、土砂崩れ、土砂の流出もしくは流入または土地造成工事の瑕疵

    →地盤に起因することは免責です。もっとも地盤に起因する劣化については、中古住宅の場合、取引時点でのインスペクションで判明するので、保険金が出なくて困ったというよりは、このことが原因で保険に入れなかったという事例の方が多いと思います。

    〇対象住宅の虫食いもしくはねずみ食い、対象住宅の性質による結露または瑕疵によらない対象住宅の自然の消耗、摩滅、さび、かび、むれ、腐敗、変質、変色もしくはその他類似の事由

    →ここがポイントとしては大きいです。まず、虫食いが免責事項になっています。つまりシロアリ被害は保険対象外です。
    続いて、瑕疵によらない対象住宅の自然の消耗が免責事項に上がっています。自然の消耗とはまさに劣化であり、雨漏れなどの保険事故発生時に、原因が劣化だと判定されると保険金がおりない可能性があります。
    (ここの判断は保険会社によって大きく異なりますが、重要事項説明書などにはこのような記載がされています)


     

    瑕疵保険が必要にならないようメンテナンスをしましょう


    こうして記載すると、瑕疵保険は何のためにあるのか?と疑問に感じる方もいるかもしれません。
    瑕疵保険の本当の価値はメンテナンスにあります。
    瑕疵保険の検査基準にたまたま合格したラッキーな住宅だけが保険に加入できる、ではなく、検査基準に合格できるレベルの修繕工事を伴って中古住宅を買いましょう、という考え方が適切だと思います。
    保険金が出る・出ないの問題はありますが、少なくとも改善工事は行われているので、そもそもの保険事故が発生するリスクが大幅に軽減されます。
    また、住宅取得時にはリフォーム費用を住宅ローンにまぜることもできるので、後々ちょこちょこと工事をするよりも、取得時にまとめて実施した方が結果的にお得という場合もあります。

    既存住宅売買瑕疵保険は消費者保護の欠かせない制度ですが、改修工事が前提であるという認識でないと、色々と判断を誤ってしまう恐れがありますので、注意が必要です。
    ※そもそも工事に関与していない検査会社が他社施工の中古住宅を保証するという時点で色々と無理がありますよね。

    制度を活用するには、正しい知識が必要です。
    仲介会社でも不慣れな事業者が多いので、中古住宅取引の際には、仲介会社にたくさん質問して、納得のいく回答が得られるか、わからなくても誠意をもって情報収集を行ってい頂けるかなどを、事業者の判断基準としての活用をお勧めします。




    いかがでしょうか。
    既存住宅売買瑕疵保険は中古住宅を購入する上で確かに大きな助けになりますが、免責事項も多く経年劣化などではほとんど助けてくれません。
    仮に対象であったとして、保険を利用したいと考えるタイミングは既に被害が出てしまっています。
    出来ることなら、インスペクションを活用し保険を利用しないですむようなリフォームをしたいですね。
    多摩センターのLIXIL不動産ショップ 中央企画株式会社でした。

    物件の購入であれば、AIを活用した良質な物件の提案を受けることが出来る物件提案ロボをご活用ください!


     


    ページ作成日 2020-11-22

カレンダー
 << 2024年4月