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かつての住宅をメンテナンスする文化を思い出そう!かつての住宅をメンテナンスする文化を思い出そう!【2021-07-05更新】|LIXIL不動産ショップ中央企画

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  • かつての住宅をメンテナンスする文化を思い出そう!2021-07-05


    多摩センターを中心に40年以上地域密着で営業を続けるLIXIL不動産ショップ 中央企画株式会社です。
    「家の作りやうは、夏をむねとすべし」という言葉を知っていますか?
    これは兼好法師(吉田兼好)の『徒然草』の一節であり、住まいづくりに携わる方がよく引用する有名なフレーズなのです。
    最近は特に「夏をむねとすべし」の部分を断熱性能の考え方として引き合いに出すケースが多くなっているように感じます。
    ということで私もその波に乗り、今回は「夏をむねとすべし」というフレーズを住宅の維持保全の観点から考えていきます。


     

    日本の夏は暑い以外にも湿気が特徴的!


    このフレーズの夏は当然現代ではなく、徒然草の作者である兼好法師がご存命であった時代です。
    つまり地球温暖化など考えたこともないような、今よりも夏は涼しいでしょうか。
    14世紀から19世紀半ばは小氷河と呼ばれるような寒い時代だったようなので、冬は厳しかったでしょう。
    そのような気候であると予測されますが、兼好法師は「冬はいかなる所にも住まる暑き頃わろき住居は堪へがたき事なり」と続けています。
    冬場に厚着をしたり囲炉裏などで暖をとることは当時でも可能だったので何とかなったけど、夏は風通しを良くしたりしても限界があったということなのでしょうか。
    なお夏というと現代では7~8月を連想しますが、二十四節気における夏を「立夏~大暑」とすると、現代よりも長い期間を夏と言うことができるでしょう。
    そして二十四節気における夏には、「梅雨の時期」が含まれます。
    徒然草自体は夏は暑さがテーマですが、今回この暑さに加えて夏には雨が良く降るという観点を加えさせていただきます。


     

    何故木造住宅が日本の気候風土に適している工法だと言われているか


    古くから日本の気候風土に適しているのは木造住宅であると言われていますよね。
    「日本の気候風土に適した」とあると、高温多湿に強い、長持ちするという風に考えるかと思います。
    当然高温多湿に対する技術はありますが、それだけではないでしょう。
    それでは何を以って「日本の気候風土に適した工法」と言われているのでしょうか。
    日本で古くから存在する柱などの構造材で構成する木造在来工法で建築された木造住宅には、部分改修しやすいという特徴があります。
    この部分改修しやすいという特徴こそが、日本の気候風土に適した工法の肝の部分なのではないかと考えています。
    高温多湿な環境下で家が傷んでしまったとしても、部分的な改修がしやすければ悪くなっている部分を改修してしまえばいいだけなのです。
    昔はモノを大切にする文化が根付いていましたから、住宅においてもその文化が根付いていたのでしょう。
    しかしこのモノを大切にする文化も、現代日本では薄れてしまっているように思います。


     

    修理して長く使うのではなく新品に買い替える価値観が根付いてしまった


    昔は衣服にしてもなんにしてもモノの価値が高く、買ったものを修理して長く使い続けることが一般的でした。
    しかしモノが手に入りやすくなってきてからは、修理するよりも新品を購入してしまった方が手っ取り早くなりました。
    また日々進化していく技術により住宅性能も向上していくからか、日本は最近まで新築偏重の住宅政策を行ってきました。
    その為「直すよりも建て替えた方が合理的」という考え方が浸透してしまっています。
    鉄骨造や鉄筋コンクリート造等の木造以外の建築物の選択肢も増えていますから、木造だった実家を鉄筋コンクリート造の住宅に建て替えたという方も少なくないのではないでしょうか。
    平成の時点であまり聞かなくなってしまいましたが、昔はかかりつけ医の大工版のような、「お抱えの大工さん」というものがいました。
    現代の住宅よりも水漏れなどの不具合が頻発しており、そのたびに適当に選んだ大工に依頼をするのではなく、付き合いの長い「お抱えの大工さん」に依頼をしていたのです。
    しかしバブルで大量の住宅が必要になったり、住宅建築の効率化が要求されるようになったことで大工さんとのつながりは薄れ、大工さんは工務店・リフォーム会社といった企業に所属する職人さんという位置づけに遠ざかってしまいました。

    かかりつけ医に受診したとき、これまでの受診状況も踏まえて診察してくれたりしますよね?
    お抱えの大工さんのときもこれまでの修繕状況の情報がストックされていっていますし、関係性が近いため「ついでにここを調べたらこうなってるけど直す?」といった提案もしてくれていたのですが、現在はそのような関係を築けている方は少ないでしょう。
    どんぶり勘定だったりあいまいな部分が強くあったりもしますから、昔の関係こそ最善ということでもありませんが、定期的なメンテナンスの提案がされにくくなってしまっている状況が失われてしまったのは痛いなと感じています。


     

    マンションは修繕しやすい構造とは言えない


    マンションを購入する場合、修繕積立金というものを毎月支払うこととなります。
    毎月の積み重ねであるため高い出費に感じる方も多いでしょうし、マンションで定期的に行われる大規模修繕があまり必要性のないものなのではないかと思う方も少なくないようです。
    そもそも、マンションは古くからの木造住宅のような部分改修に適した工法ではありません。
    劣化箇所が分かっても梯子などでそこだけをすぐに修繕するというような工事の仕方が出来ないからです。
    足場を組むだけでもそれなりの費用が掛かりますし、頻繁に工事をするわけにもいかないので見えない劣化が発生していないかを調べるために建物全体の点検も行うといったことが必要になってきます。
    マンションの大規模修繕は非常に高額となるため、いつ起きるかわからない不具合を待つのでは計画が成り立たず、悪くなってから直すのではなく悪くなる前に交換するといった考え方になります。
    高層マンションの問題点について書かれた記事があったのでリンクを貼っておきますから、気になったら読んでみてください。

    湾岸中古タワマンへの「テレワーク移住」には、困難な未来が待ち受けているかもしれない
    https://www.news-postseven.com/archives/20210522_1661247.html?DETAIL

    接合箇所を埋める防水対策は、他の部材と比べても耐用年数が短いので、現在のマンション、特に高層マンションは日本の気候風土に適した工法とは言えないかもしれません。


     

    多摩センターの戸建てだって定期点検と未然の対策は必要です!


    マンションのお話をしましたが、維持管理が必要な建物はマンションだけではありません。
    鉄筋コンクリート造やプレキャストコンクリート造など工法の違いで年数に差異はあれど確実に劣化するため、メンテナンスをせずに何十年も何事もない状況を維持できるものではありません。
    そして実際に雨漏りなどの不具合が出てから修繕を行う場合、定期的にメンテナンスをして初期状態で修繕する場合よりも大掛かりとなり費用もそれだけ掛かります。
    不具合が出ても「まだいける」とそのまま放置し悪化したところでようやく修繕するとなると、なおさら高額となるでしょう。
    マンションの修繕積立金のように修繕のために資金を積み立てて、定期的にメンテナンスと修繕を行うようにすると、「今はお金がないから修繕できない」というようなことになるリスクを抑えられるでしょう。



    いかがでしょうか。
    気象変動によりゲリラ豪雨のような被害も発生しています。
    「家の作りやうは、夏をむねとすべし」という一節のある徒然草から700年以上も経過している現代ですが、当時の住宅のように家をメンテナンスするということの重要さを理解していただけたら幸いです。
    多摩センターのLIXIL不動産ショップ 中央企画株式会社でした。

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    ページ作成日 2021-07-05

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